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2004年10月15日

F1決勝レポート(これにて終わり)

月曜担当の鳴海ですが、F1決勝レポートを金曜日の今日、アップさせていただきます。


(これまた、予選に続きど真ん中のレポートです)

F1 065.jpg


鈴鹿の空は、曇りがちだったものの、天候の回復は早く、午前中とはうって変わって、午後から秋晴れとなった。

決勝前に、様々な開式イベントがある事もF1観戦の楽しみのひとつだ。

F1 073.jpg

全ドライバーが、チームゆかりのクラシックカーに同乗し、コースを1周し観客とのコミュニケーションを取る「ドライバーズパレード」。

母国グランブリの琢磨を先頭にドライバーズパレードが行われた。
ここでも、琢磨への声援は凄かった。
例年だと、ここ鈴鹿でもシューマッハへの声援は多いのだか、今年に至っては、シューマッハ・フェラーリを応援する人の数が激減していた事に驚いた。

シューマッハは、F1界の王者であるがファンに対しての礼儀を最もわきまえたドライバーだ。彼は、多くの観客に対して最後まで手を降っていたのが印象的だった。

続いてホンダF1参戦40周年を記念した、歴代ホンダF1マシンのパレードランが行われた。
ホンダは、1960年代にF1参戦を果たし、実に40年という時の流れの中で、F1界に技術革新をもたらし続けて来た。
その歴史を語るうえで、代表となるマシンが鈴鹿の地を走る事はとても素晴らしい。

ジョンサーティスさんをはじめ中嶋悟さん、鈴木亜久里さんらが、マシンをドライブしホンダ・エンジン・ミュージックをサーキットに響かせてくれた。

そして鈴木雅之さんが国歌斉唱。観客全員が、起立脱帽。
こういう光景は、日本では少ないが、F1では恒例となっている。

スタート進行は、オンタイムで進んだ。エンジンに火が入りシグナルグリーンでフォーメーションラップスタート。

20台のマシンが、一斉にスタートしタイヤを温めながらスターティンググリッドを目指す。

最終コーナーから一列縦隊で、グリッドに整列して行く。
この時、ドライバーの緊張も最高潮に達しているが、観客も同じく緊張感につつまれる一瞬だ。全車グリッドにロックオン! シグナルレッドが一つずつ点灯していく。
サーキットアナウンサー、ピエール北川さんの、アナウンスも最高潮に達した瞬間。
オールブラック!!

20台のエンジンの咆哮がサーキットに響き渡りマシンは一斉にスタート。
全車、前後左右に入り乱れながら1コーナーを目指す。

シューマッハは、いつもながら冷静にクリーンスタートを決めた。
2位にはラルフ。3位ウェバーはスタートで出遅れバトンにかわされ、3位争いは琢磨とバトン。1コーナー進入ぎりぎりの所で、アウトからバトンが仕掛ける。たまらず琢磨がバトンに道を譲った(ように私は思った)。
琢磨のスタート位置はイン側。イン側はクルマが走らない事から、ホコリっぽくレコードラインのアウト側と比べてスタートでは不利になる。
当初、スズカサーキットのグリッド1番はイン側だった。それをアイルトン・セナがポールポジションイン側スタートをした時、上記の理由でFIAに抗議し、その抗議が
認められ、翌年よりスズカサーキットの1位グリッドは、アウト側に変更になった。

オープニングラップは、シューマッハ、ラルフ、バトン、琢磨の順。

シューマッハは、異次元の速さでラルフを引き離しにかかる。重い燃料でペースが上がらないバトンに引っ掛かった琢磨は、ペースを上げられない。

シューマッハの走りは、速さもさる事ながら、それらを超越した一種の芸術作品といっても過言ではない。

7周目ダンロップコーナーで、シフトミスを犯したバトンを琢磨が抜き去り3位に浮上。
琢磨ペースを上げるも、時すでに遅くラルフにかなり先行されてしまった。

上位陣膠着状態でレースは進んでいるが、後続集団に沈んだバリチェロ、ライコネン、アロンソ、モントーヤ、トゥルーリが、1コーナーで時にはアグレッシブに、時には華麗なオーバーテイクシーンを繰りひろげてくれた。
最近のF1は、オーバーテイクシーンが極めて少ない事が、レースの面白みをなくしたと言われている。新しく建設されたサーキットは、その点を考慮されF1マシン専用と思えるコース幅の広いサーキットとなっている。

このパッシングシーンは、歴代GPの中でも5本の指に数えられるのではなかろうか。
まさにプロの妙技を存分に堪能した。
特に、バリチェロ、ビルニューブ、モントーヤ、ライコネンが、四つどもえのまま1コーナーになだれ込んで来たさまは圧巻だった。

レース中盤、上位陣はシューマッハのトップは揺るぎないものになり、2位ラルフもそのポジションを明け渡す事はない様相。ピットストップで琢磨を抜いたバトンも3位の座を固めつつある。

一方、琢磨はペースが上がらず、このまま行けばライコネン、アロンソに4位の座を明け渡す可能性も出てきていた。
この頃、琢磨はスタート時からドリンクの供給装置にトラブルが出て、全く水分補給出来ない状況にあった。1レースで2kg以上体重が落ちる(その大部分は水分)といわれているF1で、水分補給が出来ない事は致命的である。

レース終盤、シューマッハを先頭に上位陣に変動はなく、琢磨も追い上げているもののハンスシステム(クラッシュ時の首の保護器具)のトラブルをかかえているようで、これ以上のペースアップはのぞめない状況だった。
ドイツGPで、ハンスシステムのトラブルで首と肩を痛めた琢磨は、その後も治療を続けているものの完治には至っていないと聞く。その古傷が痛み出したのか?
終盤、コックピットを映し出すモニターに、琢磨がヘルメット押さえながら片手でマシンを操る姿が映し出された。

なんとか4位を死守してくれ! と観客は、その気持ち一心にフラッグを降り続けた。

ファイナルラップ

56周に渡って、琢磨の走りにフラッグを降り続けた観客達にもファイナルラップが訪れた。

シューマッハ、ラルフの順にチェッカーを受ける。

続いてバトン、琢磨のBAR勢がフィニッシュラインを越えた。
観客から、大きな声援が沸き起こった。


琢磨が、表賞台に登れなかった事は残念だったが、確実にF1ドライバーとして進歩している琢磨。あの辛口の川井氏(F1ピットレポーター)が、絶賛するドライバーだけに、来年もまた鈴鹿で感動させてくれるに違いない。

「ありがとう琢磨!」

と、この日本GPの為に鈴鹿にやって来た皆が、そう思っただろう。

F1_095.jpg


(終わり)

toyota.jpg
トヨタのチーム関係者のVIP席。各チームともこのようなホスピタリティがあります。

鳴海

Posted by escalacafe at 2004年10月15日 13:44
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